Case Study
導入事例
秋田朝日放送株式会社 様
秋田朝日放送株式会社様(https://aab-tv.co.jp)は、秋田県全域を放送対象地域としたテレビ朝日系列の地上波テレビ放送局です。
2025年ノンリニア編集機更新の際、Avid Media Composerをご採用いただきました。
放送局制作現場におけるAvid Media Composer刷新の効果
更新で何が変わり、現場はどう変わったのか
長年Avid Media Composerを使い続けてきた秋田朝日放送株式会社様の制作現場。
今回、編集用PCとともにMedia Composerを最新環境へ更新したことで、現場のワークフローにはどのような変化があったのだろうか。制作を担当する小野様、平塚様に、更新前の課題から導入後の効果、そして今後の展望までを伺った。
更新前に抱えていた問題点
ー 小野様は、当時の課題として「処理速度」を挙げる。
小野様:更新前は、Media Composer 2018.12を使用していました。XDCAMに加え、GoProやアクションカムなど、さまざまなカメラ素材を扱っているので、リンク読み込みやトランスコードにどうしても時間がかかっていました。ロケ後は素材をリンクで読み込み、トランスコードを走らせたまま帰宅して、翌朝から編集を始めるという流れが常態化していましたね。動作自体に大きな問題はありませんでしたが、とにかく処理が遅かった。素材が揃ったら、すぐに編集に入りたいという思いがありました。

秋田朝日放送株式会社
技術局 放送技術部長 兼 ビジネス開発本部副本部長
小野 裕介 様(写真左)
放送技術部 兼 ビジネス開発本部副部長
平塚 広大 様(写真右)
ー 平塚様も、レンダリングやエクスポートに時間がかかっていた点を指摘する。
平塚様:情報番組とスポーツ中継が重なる時期は、編集作業が特に集中します。編集自体は終わっているのに、20分尺の書き出しに12~13分かかってしまい、次の担当者にブースを引き渡せないケースもありました。番組PR用の5秒、10秒、15秒の素材や、YouTube用の短尺動画でも書き出しに時間がかかり、修正作業が負担になっていましたね。それに、PCの起動にも数分かかっていたので、生放送前の台本読み合わせでは、あらかじめ立ち上げておかないと出演者を待たせてしまうこともありました。
更新後の改善点 ―「待ち時間」が大きく減少
ー 2025年8月、PCの更新時期と重なったこともあり、編集機はZ4からZ6へ、Media Composerは2025.6へと更新された。

小野様: インターフェースが変わるので、各ディレクターが違和感なく操作できるかは少し気になっていました。
平塚様:昨年、制作のチーフが新しいインターフェースを触る機会があって、「見た目は変わるけれど、全体としては変わっていない」という印象を持っていました。そのおかげもあって、ストレスなくスムーズに導入できたと思います。
小野様:放送局では、報道よりも制作のほうが比較的柔軟に対応できる人材が多い印象があります。機材導入も、まず制作に入れて馴染んでもらい、その後に報道へ展開する、という流れが多いですね。いずれにしても、今回の移行で大きなトラブルはありませんでした。
平塚様:以前は12~13分かかっていた20分尺の書き出しが、今では約4分まで短縮されました。書き出しが早くなると、やり直しの心理的なハードルも下がりますし、結果的に編集の質にも良い影響が出ていると感じています。PCスペックが上がったことで、XDCAM素材のプレビュー表示も早くなり、素材確認の待ち時間が減りました。全体の作業テンポはかなり良くなっています。
更新後のMedia Composerの機能面について
安定性の高さ
平塚様:以前から安定性に不満はなかったのですが、今回の更新でさらに安心感が増した印象ですね。素材数が増えたり、シークエンスが複雑になった場合でも挙動が安定していて、長尺や多トラックの編集でも不安が少ないです。
音声波形表示の進化
平塚様:ソースモニタ上で音声波形が確認できるようになった点も、現場では高評価ですね。これまでもタイムラインに載せれば確認できましたが、ソースモニタで波形を見ながらアタリを付けられるようになり、素材探しがかなり楽になりました。
オートセーブによる安心感
平塚様:オートセーブは15分間隔で設定しています。万が一トラブルが起きても、ほとんど作業を失うことなく復旧できているので、この点はとても助かっています。

現場を支える文字起こし機能の活用例
平塚様:文字起こし機能については、導入前は正直あまり期待していなかったんですが、実際に自分たちの素材で試してみると、想像以上に精度が高かったですね。今ではかなりの頻度で使っています。
ー 実際の現場では、次のような使い方をしているという。
- ロケで誰が何を話したかを後から確認する
- 番組名や「美味しい」といったコメントを探す
- コメントフォロー用に、演者の意図と矛盾しない一言を探す
平塚様:これまでは耳で素材を聞き返しながら探していましたが、今は「目で探せる」ようになりました。作業効率はかなり上がっています。生放送でロケ出演者がスタジオコメントを入れる際の台本作成にも、文字起こしデータは活用されている。ロケ部分は文字起こしから台本を起こせるので、ディレクターはスタジオで話してもらう部分に集中できます。
また、担当ディレクターが急病などで不在になった場合でも、文字起こしデータとAIで作った概要を共有すれば、代打のディレクターが内容を素早く把握できます。VTRをすべて見なくても理解できるというのは、人員が限られている現場では本当に助かりますね。
ー 一方で、使い方には注意も必要だという。
平塚様:「文字起こしがあるから現場で考えなくていい」ということではないと思っています。現場で頭の中に編集を作ってから帰る、という基本があってこそで、文字起こしはそれを支える補助的なツールだと考えています。
今後について
平塚様:今後は、リモート編集の可能性も検討していきたいですね。すべての編集作業でなくても、カット編集だけをブラウザベースで行ったり、社内の編集機を外部から操作したりできれば、さらに効率は上がると思っています。
ー 最後に
平塚様:今回の更新ではICSのサポートが本当に大きな支えになりました。工事中も細かな疑問に一つひとつ対応していただき、「一緒にゴールに向かって進んでいく」という姿勢で支援してもらえたと感じています。
小野様:導入前から親身に相談に乗っていただきました。今回の更新を無事に乗り越えられたのも、ICSのおかげだと感じています。
お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

