Venera Technologies社
「Quasar Leap」プロジェクトで1,000ファイル同時解析に成功


ネイティブ・クラウド・QCサービスであるQuasar®の開発に着手したとき、好評いただいているオンプレミスのQCソフトウェア「Pulsar™」をVM上で動作させただけのものを「クラウドQC」と呼ぶことだけはしたくありませんでした。

Pulsarと同じコアQC機能を使用しながらも、Quasarのアーキテクチャを一から構築し、「ネイティブなクラウド」QCサービスを実現しました。
ネイティブ・クラウドとは、マイクロサービス・アーキテクチャ、ダイナミック・スケーラビリティ、地域別コンテンツ認識、SaaS展開、使用量ベースの価格設定、ハイグレードなコンテンツ・セキュリティ、そしてもちろん冗長性などの機能を意味します。

我々は『Quasar Leap』と名付けたプロジェクトをスタートさせました。
当時、Quasarはすでに100個のファイルを同時処理することができましたが、『Quasar Leap』の目的は、Quasarが1,000ファイルを同時に処理できることでした。
正直なところ「1,000ファイルを同時にQCできる」と言えば、ユーザーから大きな評価と知名度を得られることはできますが、実際にはユーザーも必要としていない処理数です。
機能的にも、数百のファイルを同時に処理することは容易ですが、それを超えて処理しようとすると、プロセスが停止し、サービス全体の信頼性に影響を与える可能性がありました。

プロジェクト『Quasar Leap』のために、アーキテクチャのさまざまなコンポーネントを綿密に調査しました。自社のソースを明かすつもりはありませんが、Quasarを大規模かつ動的に拡張するために、ボトルネックやストレスポイントを取り除き、内部のワークフローのさまざまな側面をさらに強化し、調整しました。

実際に60分のメディアファイルを1,000ファイル用意し、Quasarシステムが1,000個のAWS仮想コンピューティングユニット(EC2と呼ばれる)をダイナミックにスピンアップさせ、1,000ファイルを同時にQC処理し、その後不要になったEC2インスタンスをスピンダウンさせました。

新しいスケーリング機能により、60,000分(1,000時間!)のコンテンツを、EC2インスタンスのスピンアップ時間を含めても、約45分で処理することができました。 例えば、映画なら約660本、人気テレビドラマなら7つのシリーズの20シーズン分に相当する1,000時間分のコンテンツが、たった45分で処理できたのです。これは、当社の大規模な同時処理能力をもってすれば、1時間で約1,300時間分のコンテンツを処理できるということです。
「それはすごいことだけど、そんなに早く処理しなければならないほど大量のコンテンツを持っている人はいないだろう」とお考えでしょうが、以下のような視点でのメリットもあるのです。


クラウドストレージにPETAバイト("P"が付いています!)級の眠っているコンテンツを所持されているメディア企業様が多くいらっしゃいます。

メディア企業様は、アーカイブされたコンテンツを復元、インジェスト、トランスコードし、最終的に視聴者に配信して収益化するために、クラウドベースのワークフローを管理するという困難な課題に直面しています。
このワークフローで重要なのは、エンドユーザーに配信する前に、さまざまな段階でコンテンツの検証を行うことです。Quasarの大規模な同時QC処理能力は、この作業の遅延を最小限に抑えるために必要です。

厳しい納期でコンテンツを次々と入手される企業様がいらっしゃいます。

コンテンツを即座に処理できることは、ワークフローの効率化に加えて、大きなビジネス価値をもたらします。

『Quasar Leap』プロジェクトは、基盤となるアーキテクチャの強化や刷新等を実現しました。

その結果、10万ファイルでも100ファイルでも、あるいは数ファイルでも、Quasar SaaSのすべてのユーザーにメリットをもたらす、強固なプラットフォームが完成しました。
これにより、通常のファイル数、また予期せぬイベントや直前のリクエストによるコンテンツフローの急激な増加(バースト)にかかわらず、QCニーズを満たすためにQuasarに頼ることができるという、信頼性、拡張性、および確信が得られました。


独立系コンテンツ配信会社であるCinedigm社の製品・技術担当SVPであるTony Huidor氏は、次のように述べています。
「当社のクラウドベースのプラットフォームを利用するコンテンツの量が急速に増加しているため、処理するファイルの数を瞬時に拡大する能力が必要でした。Quasarの大規模な同時並行QC処理機能は、我々が必要としていた拡張性を提供し、効果的にニーズを満たしてくれました。」

そして今、同時処理能力を大幅に向上させる『Quasar Leap』プロジェクトが成功し、「QuasarネイティブクラウドQCは、他のクラウドQCが行ったことのない場所に進出した」と言えるでしょう。

By: Fereidoon Khosravi
SVP and Chief Business Development Officer