Case Study
導入事例

株式会社ザ・チューブ 様

Facilis Technology Facilis 8・HUB 24

テクノマセマティカル ARPS-1

IHSE Draco Vario Ultra DisplayPort 1.2 490

株式会社ザ・チューブ様は、TV番組のポストプロダクションを中心に、人材派遣やレンタル業に至るまで、放送映像業界に広く携わられている会社です。
汐留本社を拠点に都内要所でスタジオを構えておられますが、この度、WTV 渋谷 編集センター・汐留 本社・六本木編集センターと3サイトにてFacilis Technology製共有ストレージ (以下、Facilis) をご採用いただきました。
ご採用いただいたきっかけは、極力コストを掛けずにAvid Media ComposerのUHD DNxHRが動作すること。
Facilisはクライアント接続としてファイバーチャンネルとイーサネットのどちらも選択することが可能で、サーバ本体にPCIexスロットを複数有しているため、接続したいクライアントの台数が少数である場合は高価なスイッチを購入することなく、編集端末とFacilisをダイレクトに接続して使用できます。4K編集の場合、Windowsであれば16Gbか32Gbファイバーチャンネル、Mac Pro 2019であれば25Gbイーサネットのダイレクト接続が有効となります。

WTV渋谷 編集センターではZ8G4ワークステーション数式を16GbファイバーチャンネルでFacilisにダイレクト接続し、UHD DNxHR 60p複数トラックの同時編集を実現しています。初号機を導入後、数か月間で、新たな4Kクライアントと容量不足のため、スイッチを介さずにストレージサーバの増設を実施させていただきました。汐留本社ではビデオ編集以外に、Avid Pro ToolsとのMA編集用サーバとしてもご利用いただいております。Pro Toolsのセッションデータは、一つ一つの容量は小さいもののファイル数が数千と発生するため、大容量で1ファイルの高解像度映像データとは異なるアクセスの負荷がサーバに掛かり、リアルタイム再生が苦手とされています。
今回、Facilis導入後にVideo Satelliteを使ってプレビューを行い「共有ストレージからのオンラインでディレイなく再生できるのが信じられない。ストレスなくサクサクと動くし、Facilisにしたお陰で、これまで作業の度に行っていたローカルへのデータコピーが不要になったのでありがたい」というコメントを頂戴しています。また、汐留本社では当初フロア別にFacilisを使用されていましたが、ボリュームを全クライアントで使えるようにしたいというご要望を後日頂戴しました。フロア跨ぎでFacilis同士を32Gbファイバーチャンネルで接続することにより、それぞれのサーバに直接続しているクライントからも、全ボリュームに高速でアクセスすることができるようにしました。

WTV渋谷 編集センター Facilis HUB 24 144TB x 2台とIHSEマトリックススイッチ

WTV渋谷 編集センター
Facilis HUB 24 144TB x 2台とその上にIHSEマトリックススイッチ

2021年8月にリニューアルオープンされた六本木編集センターでは、コロナ禍に対応するリモートシステムとしてARPS-1(以下、アープスワン)も導入していただきました。ARPS-1は遠隔地からスマートフォンやタブレットでプレビューしながら低遅延でトークバックができ、遠隔地側からスタジオへタリーが送れるシステムです。

六本木編集センター ARPS-1を組み込んでいただいたR-1編集室

六本木編集センター
ARPS-1を組み込んでいただいたR-1編集室

ザ・チューブ様では六本木編集センターにある編集機やPro Tools、PC、Mac全ての画面をSDI出力にしてルーターへ接続し、ルーター出力にARPS-1のエンコーダを配置してiPadへ映像信号を送信しています。これにより遠隔地のディレクターのiPadと六本木編集センター内にあるアナブースのモニターに同じ画面が映し出され、遠隔地のiPadよりCUEボタンをタップするとアナブースのナレーターがセリフやナレーションを開始する、という新たな制作環境を構築されています。専用コーデックを採用しているため、あたかも同じ場所にいるかのような低遅延を実現し、また、不用意にデコードされて公開前の映像や音声が外部に漏洩してしまう心配もありません。これまでは編集室に集まらないと行えなかった作業が、密になる事なくお好みの場所から行っていただけるようになっています。

2021年11月にリニューアルオープンされたWTV渋谷 編集センターでは、内装も含めて弊社に全てお任せいただきました。特徴的なのは、EDIT-2・EDIT-3編集室にてEIZO製ウルトラワイド曲面モニター:FlexScan EV3895 が使われている点です。従来、24インチ程度のワイドモニターを編集機1台につき2面並べて利用するのが一般的ですが、この場合KVM延長機が2台必要でワイヤリングも複雑になります。逆にウルトラワイドモニタにすると解像度が2560x1440から3840x1600へアップするため、エントリーレベルのKVMでは表示することができません。仮に4K対応であったとしても、高周波数となると使い物になりません。今回ご採用いただいたIHSE Draco 490エクステンダは4K 60pに対応しており、違和感なくEV3895で4K編集していただけています。ハイパワー3G信号対応の16ポートマトリックススイッチ「K480-CX16」もご採用いただいており、EDIT-2・EDIT-3どちらからでも全ての4K編集機を使用できる自由なシステムとなっています。

WTV渋谷 編集センター EDIT-2・EDIT-3編集室

WTV渋谷 編集センター EDIT-2・EDIT-3編集室