IHSEが貴方のお手元に届くまで ~ドイツから二三〇〇里を経て~

IHSE社は、KVM関連機器のリーディングカンパニーとして、他社とは「独自性」と「安定性」において一線を画しています。
故にNATOやキング・アブドゥルアズィーズ国際空港、香港競馬場など、海外では分野を問わずKVMが必要とされる様々な要所に導入される程、信頼と評価を得ています。
伊藤忠ケーブルシステム(ICS)では、IHSE国内唯一の代理店として、そのグローバルでユニークな製品をしっかりとユーザーの皆様にお届けするためにも、社内の入荷検査も抜かりなく行っています。その一部始終を本稿では、ご紹介したいと思います。

1. 開梱と外観チェック

全台箱から取り出したのち、

  • 筐体に傷や汚れはないか
  • ネジ外れや緩みはないか
  • 底面のゴム足はついているか
  • 製品詳細シールの貼り忘れはないか

など外観に不備がないか1台ずつ目視で確認します。並行して員数や付属品の確認も行います。輸送中に外箱が潰れていた場合は、新品のものを組み立て対応します。

2. ファームウェアの確認

実装されているファームウェアのバージョンが統一されているかを確認します。既存システムへの追加の場合は、新旧での互換性が保たれるよう、入荷品のバージョンの調整を都度行います。(既存分を調整しないといけないかどうかも含めて確認します。)

3. MTX(マトリクス)の動作確認と設定作業

マトリクスの検査ポイントは主に3つです。

  1. ① 各ポートにおけるCON⇔CPU間の通信が問題ないかを視る(相互通信のため二周する)
  2. ② 冗長電源や切り替え画面の表示・操作権の取り合い、Dual-Interface接続機能・Syslog/SNMPの送信機能・導入先の要望に沿った追加仕様等々、基本性能の確認
  3. ③ 使用予定のエクステンダーの情報登録及び基本設定作業+導入先のシステム構成に合わせた各エクステンダーの名前やアクセス権、LAN構成などの設定作業

事前セットアップを細かく行うことで「繋げばすぐ使える」IHSE製品がより実運用に近い形で使い始められます。

4. EXT(エクステンダー)の動作確認

エクステンダーの検査ポイントは主に2つです。

  1. ① どのモデルも共通して行える基本動作に問題はないか確認します。
  2. ② モデルごとに異なる仕様や特性がしっかりと想定通りの振る舞いをするか、その挙動に不備はないかの確認。

他にもCPUとCONでモデルが違えば、その兼ね合いに支障はないか検証をし、想定される使用形態の事前確認をできる限り行うようにしています。

5. テプラ貼り付け

検査後はその証として「ICS INSPECTION」シールを貼ります。そして、型番とシリアル番号、場合によってはマトリクスに登録されている名称のテプラをそれぞれエクステンダーの前面と背面と外箱にも貼り付けます。
型番とシリアル番号に関しては、既にIHSE社の方で貼られてはいますが、文字が小さく見えづらいものであるため、邪魔にならない且つ視認しやすい程度の文字の大きさで敢えて貼り直しを行っています。
それにより、エクステンダーの故障や不具合発生などの有事の際、ラック実装中や取り出しにくい場所に配置されてしまっても、そのシリアル番号や名称が比較的確認しやすくなるのも考慮しています。

6. データベース作成と梱包

納品するマトリクスやエクステンダーの関連情報を、弊社では全てデータベース化して保存・管理を行うことにより、障害発生やお問い合わせの際、迅速に対応できる体制を整えております。
そして梱包する際は、最後は指紋が残らないように1台ずつ拭き上げてから、本体と電源・付属品などを綺麗に詰め直して納品準備を進めます。

IHSE社のKVM製品は決してお安いお値段ではございません。ただ、そうであるからこそ、それに見合う高品質・高性能の製品価値に更にICSの丁寧で入念な入荷検査やセットアップ作業、手厚いアフターサポート対応も加えることで、「IHSEにしてよかった」と、全てのユーザー様に思えてもらえるよう、日々業務に取り組んでおります。