Case Study
導入事例
BS松竹東急(BS260ch)様は、「伝統の継承と新しいものへの挑戦」を目指し、2022年3月に開局されました。
「毎日おうちで劇場気分!」を局モットーに映画、舞台、オリジナル番組を編成の柱とされています。
年間300本以上の邦洋画、歌舞伎・演劇・松竹新喜劇・落語などの舞台作品、開局当初からオリジナルドラマやオリジナルバラエティ番組を放送されています。
また2023年にはスポーツ中継も拡大し、プロ野球オリックス・バファローズ公式戦や、全米メジャープロゴルフ選手権の生中継をされています。
いつでも全国無料放送でご視聴頂ける総合編成チャンネルです。
今回、QCツールの機材選定から実際の導入、運用を担当されていますICT局ICT戦略部マネージャー佐藤様よりお話しを伺うことができました。
同社では様々な制作会社様から納品されるコンテンツに対して、CM素材と本編素材をメインに MXFフォーマットチェックやCM規定のチェック、ラウドネス測定等を用途としてPulsar Basicを2式ご採用いただきました。
- QC製品は複数の選択肢があると思いますが、最終的にPulsarをお選びいただいた理由はどこでしょうか?
「弊社では主に納品されたCM素材のチェックと、全てではありませんが、本編素材に対してもQCをかけています。当初QCツールの導入を検討した際に、民放連の規定に沿ったフォーマットでCMが作成されているか、ARIBの規格に沿ったラウドネス測定が可能かというのが重要なポイントでした。ファイルQCによっては、ラウドネスがARIBの規格に対応していないものもあります。それともう一点、PulsarにはパカパカチェッカーであるCambridge Research Systems社のHardingFPAがオプションとして装備されていたからですね。日本ではパカチェック=Hardingという図式が広く浸透しており、業界スタンダードともいえる計測システムである事から局としての責任の範疇をきちんと果たすという観点からも非常に重要なポイントでした。」
-具体的に Pulsar のどの機能をご活用いただいているか教えてください。
「弊社では、先にもお話させて頂いた通り、CM素材、本編素材を含め、複数のQC対象コンテンツがありますが、特にCMに関しては冒頭述べた様に、民放連の規格に沿ったフォーマットでCMが作成されているかが重要で、これに対してPulsarのTrack Layout機能がとても有効的に使用できています。
★Track Layout・・民放連ファイルベースメディアCM搬入暫定規準にのっとったレイアウト構成になっているか検査可能
<民放連ウェブサイト テレビCM素材搬入基準より抜粋>
それと、搬入される素材で元々プログレッシブの素材をインターレースに変換したものが時々あります。いわゆるPI変換をした際にインターレースの素材が前フレームの片フィールドだけ残ってしまうことが時々あり、それを検知できる「Flash frames」は入れてますね。
音に関して言うと、冒頭申し上げたラウドネスの測定と「Channel Configuration」は必ず使用します。弊社が採用する放送システムの仕様により、Stereo素材の場合、音声自体はL、Rだけあれば良いのですが、トラック自体は8トラックある状態で納品する必要がある為、この「Channel Configuration」で納品素材が規定に沿った仕様で作成されているかを見ています。
また、弊社のワークフローを絡ませた際にPulsarのWatch Folder機能は非常に有効です。
チェックしたい素材をWatch Folderに投入すれば、OKだった素材はOKフォルダに、NGだった素材はNGフォルダに自動的にPulsarが振り分けてくれます。実際、弊社のフローではOKフォルダにムーブされた素材についてはそのまま納品先にファイル伝送する為のアップローダー元フォルダに納品されます。
ですので、問題ないファイルについては全てオートマチックに納品まで出来ています。」
-既に様々なコンテンツを扱われておりますが、今後それらのコンテンツに対してPulsarの有用性をお聞かせ願えますか?
「最近、弊社でもスポーツコンテンツを多く扱う様になってきています。野球やゴルフのメジャー大会、昨年は鈴鹿の8時間耐久レース等、現状はライブコンテンツがメインになっていますが、それらを収録した素材を再放送することも今後は考えられるので、その際はやはり一定の基準を満たしているかPulsarで確認したいと思っています。」
- Pulsarに新機能や改善を期待することなどはありますか?
「やはり、クローズドキャプションをチェック出来る機能があると便利ですね。ただ既にクローズドキャプションについては業界スタンダード製品があるので、これに限らずPulsarが持っていない機能を他のソフトウェアと連携して使えるようなものがあると良いかなと思いますが...。これもAPIに関してお互いがフォロー出来ていないと結合しないので、中々簡単にはいきませんね(笑)。それと、Pulsarにはオプションで検知された箇所を再生してくれるプレーヤーオプションがありますが、このプレーヤーにクローズドキャプションが入っているファイルがきたらプレビューできる機能がついていると非常に助かります。」
ご多忙にも関わらず、日頃の業務でどのようにPulsarをご活用いただいているかをお話いただきました佐藤様に、心より御礼申し上げます。今後もよりユーザーフレンドリーな製品になるよう、メーカー共々頑張ってまいります。