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広島大学放射光科学研究センター

広島大学大学院 理学研究科内

The Customer

広島大学放射光科学研究センター

広島大学放射光科学研究センターは、国立大学の中に設置された唯一の放射光実験施設であり,広島大学の唯一の全国共同利用施設です。真空紫外線での放射光物理研究において世界をリードする研究所で、世界最先端の計測技術を用いて物質科学研究を推進しています。アメリカのスタンフォード大学など、各国の国際研究機関と協力関係にあり、また広島市で毎年開催され、世界中の研究者が参加する国際シンポジウムを主催しています。

The Challenge

広島大学放射光科学研究センター

研究センターでは膨大なデータと複雑なグラフ画像を正確に表示するため、高解像度グラフィックスに対応する高い処理能力を有した数多くのサーバーを所有しており、全てのサーバーは、研究センター建屋の最上階にあるサーバールームで集中管理されています。またワークステーション類は1階のマシンルーム内で同じく集中管理されています。これらのハイエンドで特殊なサーバーやワークステーションを隔離された専用スペースで一元管理する事で、重要なデータやプログラムに対するセキュリティー性を確保しています。粉塵の影響を受けることなく効果的にクーリングされるなど環境条件にも優れることから、機器のトラブルや故障率を減少させ安定した運用が可能になっており、全てのシステムは24時間、休むことなく稼働しています。

一方、研究チームは広大な敷地を持つ研究センター内の様々な場所で作業を行うため、各研究スタッフはデスクから遠く隔離されたサーバーやワークステーションに迅速かつ自由にアクセスし、蓄積されたデータをリアルタイムに観測し、分析のためアプリケーションを操作しなければなりません。

The Solution

課題の解決のため、研究センターは高い信頼性と遅延のない優れた操作性をもつIHSE KVMシステムを採用しました。マトリックススイッチには、CatケーブルとFiberケーブルの混在が可能で、将来的な拡張性やメンテナンス性に優れたIHSE Draco Tera Enterprise KVMスイッチ の80ポートモデルが選択されました。

各機器に接続されるエクステンダーは、2560x1440の解像度を持ったビデオ信号をケーブル1本で伝送できるDisplayPortモデル や、VGA出力にも対応可能なDVI-Iモデル など、接続する機器に応じて様々なモデルが使用され、それらが同一のシステム内に混在して運用されています。コストダウンを図るため、延長距離が短い場所ではCatケーブルを使用するモデルが採用され、別フロアや別の建屋など、長距離の伝送が必要な箇所にはFiberケーブルを使用するモデルが採用されました。

研究スタッフは、システム管理者が予めユーザーごとに設定した各種の制限とアクセス制御に従って日々、作業を行なっています。これにより、特定の研究データやアプリケーションに対する不正なアクセスが防止されています。IHSE KVMシステムでは様々な権限をユーザーごとに細かく設定できるので、不正操作や情報漏洩に対するリスクを最小限に抑えることができます。

The Benefit

IHSE KVMシステムの導入により、ハイエンドのサーバーやワークステーションの切り替えを安定して行うことができる、信頼性の高いシステムが構築されました。フルHDとWQHD(2560x1440)の信号が混在しようとも、簡単にそして遅延なく切り替えることが可能となっています。

研究スタッフは研究センター内の様々な場所で作業をしながら、作業結果をリアルタイムにチーム内で共有できるので、チーム全体の作業効率が大幅に向上しました。大量の熱とノイズを発するサーバー類が研究スタッフから隔離されていることで、より快適な環境で作業に集中することができます。

また通常であれば、新しい様々な実験が考案されるたびに、それに対応する新たなシステムの構築が必要となりますが、入力や出力といった概念を持たないFlex Portテクノロジーを有したIHSE マトリックススイッチの採用により、最小限の労力でシステムの再構築が可能となりました。

「IHSEのKVMシステムは数年前に導入しましたが、これまで大きなトラブルは発生していません。100%信頼できます。先日もファームウェアのバージョンアップを実施し、最近発売されたリモートユニット をシステムに追加することができました。」 広島大学放射光科学研究センター チーフエンジニア 後藤氏

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