いまさら聞けない!! IHSEのKVMシステム「Draco」とは

1) そもそもKVMシステムとは

KVMとは、K (キーボード) V (ビデオ) M (マウス) の略で、周辺温度やセキュリティの観点から、マシンルームに集約したPCの映像と音声及び操作をKVMエクステンダーを介して延長することを「KVM延長」と呼び、遠隔地でもマシンルーム内のPCを操作することが可能になります。
また、KVMエクステンダー同士の接続に、KVM マトリクススイッチを経由させることにより、一対一の通信だけでなく、一対多、多対多の通信を可能にします。
KVM延長がされていれば、どこからでもどこの PC にもアクセスが可能なシステムを構築することができます。
これらを纏めて「KVMシステム」と呼びます。

マトリックス延長

2) IHSEの非IP-KVM「Draco」とは

通常KVMエクステンダー同士の延長には、LANケーブルや光ファイバーケーブルを用いて、汎用のIPネットワークを使用して通信を行います(IP-KVM)。
しかし、IP-KVMは汎用のネットワークを使用できる反面、システムにネットワークの設定を施さなければいけない点や、ビデオやキーボード・マウス操作のクオリティがネットワーク環境に左右される点など、多くのデメリットも存在しています。
IHSEの提供する「Draco」ではKVM延長に使用するケーブルは通常のLANケーブルや光ファイバーケーブルですが、IPとは全く関係の無い独自プロトコルを採用しております。
IHSEのKVMエクステンダーは固有のIPアドレスを持たず、KVMマトリクススイッチに接続するだけで自動認識されるため、セットアップ時に複雑なネットワークの設定は必要なく、トラフィック量やシステムの規模に関わらず安定した運用が可能となります。

3) 繋げば動く「Draco」

IHSE社製KVM「Draco」の一番の特長はその圧倒的な安定性にあります。
「Draco」は、KVMマトリクススイッチに接続、もしくはKVMエクステンダー同士を接続すればすぐに通信が行われます
そのため、KVMエクステンダーを全てパッチへ立ち上げ、万が一KVMマトリクススイッチがダウンしてしまった場合でも、エクステンダー同士を直結することで、ダウンタイムを最小限に抑えることができます。

IHSE社「Draco」 一般的なIP-KVM
IHSE IP-KVM
  • トラフィック量やシステム規模にかかわらず安定した動作が可能
  • シームレスな切り替えが可能
  • ネットワークの設定作業は不要
  • 高価な管理用サーバは不要
  • パッチへの立ち上げが可能で、ビデオルーターと同様のシステム構築が可能
  • トラフィック量やシステム規模に比例して、画質の劣化や遅延の発生、キーボードマウス操作の追従性や反応が悪化
  • パケットロスによるコマ落ちやブラック表示の発生
  • 複雑なネットワーク設定作業
  • 専用の管理用サーバ
  • パッチへの立ち上げは不可

4) リダンダントモデルにより、冗長構成を構築

KVMエクステンダーはリダンダントモデルもラインナップしており、KVMシステムの冗長化構成が可能となります。
これにより、万が一KVMマトリクススイッチの故障やケーブル断等の不測の事態が起きた場合でも、瞬時に接続が冗長系統に切り替わり、安定した運用継続を可能にします。

フルリダンダントシステム構成例

エクステンダーのEtherポートや、MTXスイッチのEtherポートがダウンした場合、ポート単位で自動切り替えを行います。
これによりCPU-コンソール間の通信断を最小限に抑えることが可能です。
もちろんMTXスイッチがダウンした場合も、自動的にもう片方のMTXスイッチに自動的に切り替わります。

フルリダンダントシステム構成例

フォールバックシステム構成例

重要な箇所のみをリダンダントモデルで構成することにより、MTXスイッチダウン時は、各CPUユニットとKVMコンソールユニットは自動的にダイレクト接続になり、重要箇所のダウンタイムを無くすことができます。コストを抑えた冗長構成の構築が可能です。

フォールバックシステム構成例

5)「Draco」の実績

このように競合品と比べてメリットやアドバンテージの多いIHSEのKVM「Draco」は、防衛/行政/航空/交通/工場/放送など、様々なミッションクリティカルな現場で数多く採用されています。